menu
栃木南支部

真岡道場 益子道場 上三川教室 清原台教室

責任者 古口文男

お兄ちゃんとしての芽生(めば)え

2016.11.11

真岡道場 坂本貴司

僕はバイトが17時30分で終わります。
職場から道場へは車で1分かかりません。

一般部の練習は19時30分以降から始まりますが、その前の「少年部・幼年部のコース」から参加しています。

最初は準備運動とストレッチを入念にやる目的で古口先生の許可を頂いていたのですが、何回か通っていると「ちびっこ達」が指導員と勘違い出して「おしっこ!」と言ってくるようになってしまいました。

【かわいいですよね】

そのままなんとなく、お手伝いの方を勝手にやらしていただいております。

最近、2、3歳ぐらいの女の子が入門して来ました。

「ここなちゃん」です。
一番小さい子になると思います。

「ここなちゃん」はまだ小さいので何をしたらいいかわかりません。
みんなが正座をしていても立っています。
みんなが準備運動をしている時も立っています。
みんなが基本稽古している時も立っています。

「ここなちゃん」はいつも立っているだけです。

そこで「ここなちゃん」に付き添い一緒に練習をしました。

次に道場に行ったときも「ここなちゃん」は、ただ立っているだけでした。
「ここなちゃん」はまだ小さいので何をしたらいいかわかりません。
そう「ここなちゃん」は小さいのです。

ミットを蹴る練習になりました。
この練習は2人組にならなくてはいけません。

小さいミットを持ちながら、笑ってかけよって来る男の子がいました。
「りゅうすい君」です。

僕は「りゅうすい君」と「ここなちゃん」を組ませました。
「ここなちゃん」にミットを持たせ、「りゅうすい君」に「下段蹴り」の練習をさせました。

僕:「1、2、3、4、5!は~い、はんた~い!」

「りゅうすい君」は慣れているので上手に練習をこなしていきます。

次に交代して「ここなちゃん」に「下段蹴り」をさせました。
「ここなちゃん」には難しいです。
だって「ここなちゃん」は小さいのです。

僕は「ここなちゃん」の足の甲(こう)を伸ばすところから、始めました。
そうしないと「ここなちゃん」は「中足(ちゅうそく)」で蹴ってしまうので「三日月蹴り」になってしまいます。
時間をかけてゆっくりと伸ばしていきました。
そして甲(こう)でミットを蹴らせました。

一本、一本、丁寧にゆっくりとです。

「りゅうすい君」は1つか、2つぐらい年上だと思います。
年上の「りゅうすい君」は文句一つ言わず「ジーッ」と見つめています。

古口先生は練習中「は~い、集合!」と言ってみんなを集めて、生徒に質問したり、ダメな例、イイ例を見せ稽古を進めていきます。

「ここなちゃん」には集合の意味がわかりません。
独りぼっちで立っています。

僕はすぐさま抱っこして古口先生のところまで連れていきます。
古口先生の説明が終わり、「それじゃ、はじめ~」というと、みんな駆け足で元の位置に戻っていきます。
僕もすぐさま「ここなちゃん」を抱っこして元の位置に戻ります。

「りゅうすい君」はそんな僕の姿を見ていました。

古口先生が「それじゃ、整列~!3列に並んで~」と号令をかけました。
その時、ある男の子が「おしっこ!」と僕に言って来ました。
僕は急いでその子をトイレに連れていきました。

おしっこが終わり道着を着せ帯を締めて、「そ~れ、いってこーい」と言って道場に戻したとき僕の目に入ってきた光景は、「りゅうすい君」が「ここなちゃん」の手を引っ張って次の練習場所に連れて行っている様子でした。

次の練習は、「補強」です。

みんなで「円」の形になっています。

掛け声をかけながら「スクワット」が始まりました。
「りゅうすい君」は「立っているだけ」の「ここなちゃん」の頭を上から押してスクワットさせるように頑張っています。
なかなか苦労している様子です(ニコ)

次に「腕立て伏せ」が始まりました。
「りゅうすい君」はまず、「ここなちゃん」をうつぶせにさせる作戦にでました。
しかしそこは「ここなちゃん」のが一枚うわてです。
足が正座になっているのです。
「りゅうすい君」は「ここなちゃん」の足を伸ばそうと苦心しています。
やっと「ここなちゃん」の足が伸び、うつぶせの格好になった時には「腕立て伏せ」の練習は終わってしまいました。

練習最後の正座での挨拶から、道場生一人一人の締めの挨拶まで、ずーと「りゅうすい君」は「ここなちゃん」に付きっきりでした。

そして帰る時も、外で見ていた「ここなちゃん」のお父さんのところまで手を引っ張って連れて行きました。

「りゅうすい君」は「ここなちゃん」より「お兄ちゃん」なのです。
「お兄ちゃん」が自分より「小さい子・弱い子」に対して何をしなければいけないか、ちゃ~んとわかっているのです。

「りゅうすい君」も幼稚園生だと思いますが、「賢いくて・優しい」男の子なのです。

そして、もう立派な「お兄ちゃん」なのです。

押忍!

インフォメーション

極真会館坂本派栃木中央支部

0285-77-5819

090-9846-0415

090-9846-0415

0285-84-0720

メールでのお問い合わせ

ページトップへ