人格を磨くための修練の道
2018.04.24
真岡道場 坂本貴司
「I Have a Dream」の演説で有名なマーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)は「公民権運動」に大きな影響をあたえました。
キング牧師は言います。
『人間は肌の色ではなく、【人格】で判断されるべきである』と。
1862年にリンカーンが【奴隷解放宣言】をした100年後にキング牧師は「リンカーン記念館の階段上」で、【夢】を語ったのです。
まったくその通りだなと思います。
武道の目的の1つとして【人格を磨くための修練】というものがあると思います。
しかし【人格】を高め、人々からの【尊敬】を集めるということは大変難しい【道】です。
そのため【凡人】は【権威主義】に向かってしまいます。
いわゆる【肩書き】というものの獲得に向かい、【権力】によって人を従わせようとするのです。
「政治家」しかり、「○○会長」。
会社などでは、役職による【権威付け】が行われています。
凡人は【人格】ではなく【権力】によって人を服従させようとします。
しかし人々は【人格】無き【権力者】を、【尊敬】できるでしょうか。
多くの人ができないと思います。
アメリカでは今でさえ「アングロサクソン」系の白人というだけで優遇され、黒人は【差別】の対象となるのです。
昔アメリカで「ベスト・キット」という映画が大ヒットしました。
「ミヤギ」という日本人の老人と白人の子どもの交流を描いた映画です。
空手を通して、主人公の成長を促す物語です。
アメリカ人は、「ミヤギ」という日本人の老人に【尊敬】を抱き、空手の強さに熱狂したのです。
武道を通した「ミヤギ」の【人格】にアメリカ人は【魅了】されたのです。
武道人としての【人格】。
そこには【権威主義】・【権力主義】との乖離(かいり)が存在します。
武道人の【尊敬】は【人格】によって得られるのです。
【帯の色】や【強さ(腕力)】ではありません。
【服従】と【強要】は「人権侵害」であり、「恥ずべき行為」です。
武道人は【人格を磨くための修練】によって得られる【人徳】によって、【尊敬】を獲得します。
たやすいことではありません。
だからこそ【道】なのです。
人生を歩む【道】の中での自己研鑽が【武道】なのです。
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)も、【自己の研鑽】を積む【道】を歩んだ人だったのです。